作物を栽培する上で避けて通れない予防。
今回は、農薬散布に絞って知らないと損をする時期を4つ紹介しています。
農薬散布を避けるべき時期を明確にし、これからの予防に取り入れて行きましょう。
1.雨降りの日
雨降りの日は根本的に予防(農薬の散布)ができません。
理由は、農薬が作物に付かずに流れ落ちる。また展着しても雨により、大幅な希釈を受けるからです。
これは予防を行なっている間であっても同じです。中止を余儀なくされるので、事前に天気を確認しておく必要があります。
天気の確認として(空を見上げるのもいいですが)天気予報の確認は怠るべきではないでしょう。
また、天気予報でも不安だと言う人は『アメダス』を使って確認するのがおすすめです。
アメダスとは、国土交通省の気象庁が発信していて、気象情報を時間・地域に細かく分類し、自動分析で詳細に天気の予想を立てることができるものです。
2.夏場の熱い時期(平均気温25度以上)
夏〜初秋は害虫が多発し、予防をこまめに行いたい時期ではありますが、普段より強い注意が必要です。
問題は気温が高い時期(平均気温25度以上)に農薬を散布すると、水分が蒸発し、農薬の濃度が濃くなることです。農薬の濃度が濃いと薬害(葉の色が変色したり、枯れたりする)を起こす可能性があるため、注意が必要です。
ハウスで栽培している作物は気温が上昇しやすいため、薬害が起きやすいと考えるべきでしょう。
ハウスなどの屋内なら温度管理システムを確認する。屋外なら夏場は昼間を避け、早朝や夕方ごろに予防を行うようにしましょう。
3.露が残っているとき
雨降りの後や気温が下がりだした早朝などは、圃場の作物に露が残っていると思いますが、この時間帯での予防も避けるのが無難でしょう。
理由は、上記でも述べていますが、農薬が作物に展着しない。希釈されてしまうからです。
これは雨が降っていない分、圃場まで出ないと確認が難しいのが問題視される場面ですね。作業場と圃場との距離が遠いと判断が難しいのが厄介なところです。
そのような場合は、地面の濡れ具合や湿度、例年の露の発生時期などを目安に判断しましょう。
4.風が強い時間帯(2m/sでアウト)
これは1日のうちで最も変化があり、判断が難しいです。
風が強い日に(農薬散布を)行うと作物に展着する前に風に流され、ほとんど付きません。可能な限り避けましょう。
しかし、風力は1日のうちで最も変わりやすく、判断が難しいです。
そこで判断の基準にしてん欲しいのが、天気予報の風力予想です。目安は2m/s以上の風力ならアウトです。その時間帯での散布は諦め、他の作業に時間をさきましょう。
散布のノズルを作物に近づければ問題がないと感じるかも知れませんが、それはジョウロで農薬をかけているのと同じ。作物の隅々まで散布できていないと考えるのが無難でしょう。
時間と農薬の無駄を避けるため、予め判断基準を用意しておきましょう。
まとめ
避けたい時期や他の仕事が重なり、予防をできないことは思っているより多いものです。
予防もスポーツと同じ。「諦めたら試合終了」
諦めれば、その瞬間から作物は害虫や病気に冒されてしまいます。
予防(農薬散布)に関しては、ジレンマが多いのが農業だと腹を括り、柔軟な対応を心掛けていきましょう。