レタスの旬は春レタス(4〜5月)、夏レタス(6〜10月)、冬レタス(11〜3月)と区分けされていています。それぞれ気温が15〜20度前後で最も質の良いものが収穫できるとされていますが、冬レタスの主な生産地である香川県で11月旬の季節に値段が安くなるのは何故でしょうか。
大まかなデータを参照に値段が安くなってしまう謎を解き明かしましょう。
レタス生産地のデータを見る
レタスの主な生産地は写真の赤く塗られた部分です。
生産量の上位3県は、以下のようになっています。
1位 長野県 197,800(t)
2位 茨城県 86,400(t)
3位 群馬県 51,500(t)
また、主要産地の出荷時期は、以下のようになっています。
1位 長野県 5~10月
2位 茨城県 9~12月
3位 群馬県 5~9月
レタスは15~20度の気温で最も栽培に適します。生産量1位の長野県は、高原の冷涼な気候を活かすため、6~9月の夏場が特に最盛期であるといえます。生産量1位から3位までの県は国内でもほぼ同じ緯度に位置し、生産時期が似通っていると考えられます。
なので、春から夏にかけてレタスの生産量は全国的に多くなるのです。
11月の冬レタス、値段が下がる理由
それに引き換え、主に暖かい地域と認定され、11~3月に冬レタスを生産するのが香川県や九州地方です。
では何故、冬レタスを主に生産する暖かい地域では、11月にレタスの値段が落ちるのでしょうか?
それはまさに、長野県・茨城県・群馬県の生産したレタスが市場に残っていることが理由として考えられます。簡単に言うと、「みんなが出荷するから安い」のです。
そのため11月は気温が20度前後と育ちやすい環境ではありますが、値段が安くなってしまいがちですので、生産量には注意が必要です。
また逆に、12月〜2月の寒くて成長が遅くなる時期には値段が上がる傾向にあります。面倒ではありますが、ハウス(トンネル)で栽培を心がけましょう。ハウスを使わないと玉が小さくなり、出荷できるほど大きく成長しません。
ハウス栽培の場合は、斑点細菌病が増えるので注意が必要です。うちでは、『キノンドー(殺菌剤)』を利用していますので参考にしてみてください。
まとめ
野菜は主に異常気象や天候不良によって価格が大きく変動します。ですが、時期によっては必ずと言って良いほど価格が低下する期間があります。それが周りの生産量との兼ね合いです。
また今時は、世界的なガソリン代の高騰に伴い、野菜を作るための肥料や農薬までもが高騰しています。しかし、販売される野菜の値段は変わらず、農家の経営が厳しくなっているのが現状です。
いつも通り値段が低下する時期はできる限り生産を抑え、無駄な資材の利用を行わないようにしましょう。