農業用資材の消毒に困ったことはありませんか?
この記事では、ケミクロンGを使った資材の消毒法について紹介します。
使用出来る資材と有効成分について。
ケミクロンGは、強い殺菌作用を持ち、さまざまな病原菌に対して効果を発揮します。
まずは「使用可能な資材」と「有効成分」についてみていきましょう。
・使用可能な資材
主に苗用の連結ポット(以下、プラグトレー)の消毒に使用しますが、催芽箱・育苗箱・植木鉢・果実類貯蔵箱・温室用資材・収穫用かごなどの農業用具に使用できます。
他にも礫耕栽培用の礫や灌漑用水、浸種用水の消毒にも可能です。
・有効成分
ケミクロンGの主な有効成分は次亜塩素酸カルシウムで、濃度は70%と非常に強力です。使用する場合は、大きめのトレーに1000倍で希釈し、10分間浸した後に流水します。プラグトレーの乾燥には1〜2日をかけるようにしましょう。
普段使用している(かと思われる)ハイターと成分が同じで、大量に衣服にかかると色落ちを起こします。また、不用意に使用すると発火する恐れのある薬剤です。使用の際は十分注意しましょう。
次亜塩素酸カルシウムはプールの消毒で使用するものと同じ成分であるため、匂いの想像はつき易いかと思います。吸引での有毒性は低いと見られていますが、呼吸器への影響が出る可能性があるので注意が必要です。
また、直接触ると皮膚へとダメージが残るので、直ぐに洗い流すようにしましょう。
[写真付き]使用方法を解説!
①水を溜める
どのようなものでもOKです。
農業資材が入る大きさの容器を用意して、水を溜めておきましょう。薬剤は1000倍にまで希釈して使用しますので、出来るだけ大きいものが望ましいです。おすすめは80L以上入る業務用のプラ箱です。
容器に水と、1000倍希釈で薬剤を入れて準備完了です。
②資材を浸す
次にプラグトレーを容器に浸します。
効率を重視するため出来るだけ多く、いっぱいまで浸しましょう。
③重しをしましょう
最後に重しをすることで資材を十分に浸すことができます。浸し始めたら10分間待って、引き上げます。
この時、出来るだけ素手で触らない方が望ましいです(手荒れの原因になる)。
※プラグトレーの消毒に使用した場合、薬害(生理障害)を引き起こす可能性があるので処理後に水洗いが必要です。
④乾燥させる
風に飛ばされない出来るだけ広い場所で1~2日かけて乾燥させましょう。
私たちの場合は、空気の入れ替えが可能な広いハウスを利用しています。
ケミクロンGは農家さんの必須道具!
どのような農家さんでも、資材を消毒しないで継続して利益を確保するのは難しいです。
消毒用薬剤として「ケミクロンG」は、700円前後と比較的安い値段で販売されているので、いくつか持っておいても損はないと思います。
また、「どれだけ気を使って栽培しても病気が止まらない」「急に病気が発生して何かがおかしい」と感じたらプラグトレーの菌を疑いましょう。栽培中の土壌のみに限らず、トレーを使っても菌は媒介しています。1度使用する毎にプラグトレーを洗う癖をつけることがより良い作物栽培へと繋がっていきますよ。